自然再生推進法が平成15年(2003)1月1日より施行され、自然を回復させる動きが全国的な規模で活発化してきました。このような取り組みは地方にとどまらず、都市部においても同様で、公園緑化とともに気運はますます高まってきています。
近年、屋上緑化は都市に緑を回復する手段として注目を集めています。大阪府がビルオーナーにアンケート調査したところ、半数以上が魅力を感じると回答しており、潜在的な需要があると考えられます。そこで、屋上緑化に必要な建物診断など、造園工事事業者以外の関連業者とも連携を深め、普及活動をより具体的に検討、提案していくことが重要です。また、現在、屋上緑化で使用されている植物のセダムをはじめとして、海外より移入した園芸種の中には勢力の強い種類も多く、安易に強い品種を移入すれば絶滅してしまうという予測もあり、十分気をつける必要があります。これらを総合的に判断して屋上から都市を再自然化することが重要です。
また、校庭緑化については、少子高齢化の中にあって、文部科学省が中心となり本年度より地区ごとに緑化推進による効果測定等を導入します。現在はまだ試行の域を出ない状況ですが、いずれ全国規模で緑化推進されていくものと予想されます。われわれ業界も海外での先進事例を研究しながら造園技術・技法の結集を図り、日本の国土文化になじむものにしていく必要があります。今後も大いに期待できる事業分野と考えています。
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